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2020年2月28日金曜日

優待クロス

2月26日は2月決算企業の権利付最終売買日(株主がその銘柄を保有することで配当金・株主優待などの株主権利を得ることができる最終取引日のこと)だった。

イオンやビックカメラ、エービーシー・マート、壱番屋、イオンモール、吉野家、西松屋チェーン(権利確定日が2月20日)などなど小売株は2月決算が多いので3月決算に次いで盛り上がる時期である。

株主優待だが、普通に現物株を購入しても勿論を受けることができる。

ただ、優待といっても当たり前だがそんなに凄いものが貰えるわけもなく、株価の変動に伴うリスクがあるし優待狙いで株を買うなんてとんでもない思うのが普通である。

そういったリスクを抑え(手数料などを払って)、こんなコロナで株価暴落みたいな時期であっても、株価変動リスクゼロで優待の権利のみをゲットしようというのが、つなぎ売りとか優待クロスと言われている取引だ。

証券会社も手数料稼ぎになるのか、結構丁寧に解説してある証券会社が多い。


つなぎ売り優待クロスのやり方


権利付最終売買日までに 現物買いと信用売りを同時に同数に行って権利落ち日に現渡すればよい。買いと売りを同時同数行うことにより株価変動による損益は0になる。ただし、売買手数料等は必要。

前提


株主優待を貰うためには、各企業が定めている権利確定日に株主として株主名簿に記載されている必要がある。

権利確定日株式を保有するためには、権利付最終売買日(=権利確定日の2営業日前)までに購入しておく必要がある。

例えば、2020年2月28日が権利確定日であれば、権利付最終売買日は、2営業日前の2月26日ということになる。

権利付最終売買日までにすること


【買い】
2通りある。どちらの方法でも良い。

方法1:現物買い
方法2:信用買建て→現引(げんびき)

売建てと価格が同一になるよう前場の寄り付きで約定するように成り行き注文する。
どちらの方法にするのかは手数料が安いほうにすれば良い。
現引は信用買いが約定した直後にやる必要がある。
何度も取引するのが面倒で仕事中に取引するのはちょっとという場合は現物買いで良い。

方法2で現引する必要があるのは、信用取引で買建てした場合は証券会社からの融資で株を買っている状態でその株の実際の所有者は証券会社(買い建玉の名義は証券会社であり証券会社が株主)。なので株主の権利である配当と株主優待のどちらも貰えないことになるため。

ただし、配当金相当額を配当落調整金として受け取ることができる。

【売り】
一般信用取引で売建て。証券会社の在庫がないと取引できないので手順としてはこれが一番目にやること。前場の寄り付きで約定するように成り行き注文。

証券会社の在庫がなければ一般信用取引はできないので人気銘柄は在庫の争奪戦になる。
各証券会社の在庫数を把握しつつ、利益確保のため手数料を抑える工夫が必要。

権利落ち日にすること


 権利落ち日に現渡(げんわたしと読み信用取引で売建をしていた人が、買い返済をしないで所有している現物株を売建にあてること)する。

よくわからないという場合には証券会社のサイト 「 『つなぎ売り』をマスターして、株主優待を「お得に」活用しよう!」(SBI証券)などの解説を読めば原理はわかると思う。

それでもよくわからない場合は手間がかかる割に儲からないしやらないほうが賢明である。

つなぎ売り優待クロスのポイント


この取引のポイントは、支払う手数料等を株主優待で貰える特典の価値が上回るかどうかという点に尽きる。

ただ、優待で貰える特典がクオカードなどの金券だとわかりやすいのだが、物やサービス券の場合はちょっと面倒になる。

さらに物やサービス券(サービス券は譲渡は禁止されていることが多いにもかかわらず)をヤフオクとかメルカリで売って現金化するのであれば、商品をいくらで売れるかみたいなことも考えないといけなくなるので、手間がかかる割にそんなに儲からないことも多いし、優待で貰った物やサービス券が思ったとおり売れなければ損する場合もでてくる。

じゃあ、金券類が貰えて得する銘柄で取引すれば少ないながらも確実に儲かる美味しい取引じゃないか、ということになるが世の中そんなには甘くない。

手数料の計算は、一般信用の場合は正確に計算でき、売建ができかつ優待で金券類が貰える銘柄で、手数料よりも優待で貰える金券の額のほうがそれなりに大きい美味しい銘柄は大人気となり、それぞれの証券会社が持っている在庫数の関係でネットに張り付かないと、在庫切れで信用売りができないなんて事態になるからだ。

じゃあ、制度信用でってことになるが逆日歩(ぎゃくひぶと読み、信用取引の売り方が負担する事前に想定できないコストのことで、 信用売り残高が信用買い残高を上回り、株式の貸し方である証券金融会社が、貸し出せる株の不足を補うために、機関投資家などから株を借りる際に調達費用として発生するコスト。)がいくらになるかわからないので、リターンとリスクが釣り合わないのでやる意味があるのという話になる。

それでもやってみたいという素人が取引して↓

 みたいなことになり、時々ニュースになる。

よくわからないことには手を出さないほうが賢明という一例である。

つなぎ売り・優待クロスは節約術とか副業的なことを書いてる雑誌やネットではポイ活と並ぶ人気コンテンツの1つとして良く紹介されている。

ただ、濡れ手に粟みたいなことはないので、よく調べてからやったほうが良いと思う。

ポイ活と同じで優待クロスというのは基本手間をかけてコツコツ稼ぐ感じのものだと思う。

どの証券会社を使ったらいいかみたいな話もあるが、一般売りの在庫をもってるところでないと確実に利益を見込める取引はできないので、複数の証券会社の口座開設はほぼ必須。

ポイントサイトのモッピーみたいなところのキャンペーンで数千円ずつもらいながら証券会社に口座を開設していくとちょっとした額になるので、コツコツ小さな利益を狙う優待クロスをやってる人なんかはみんなそうしていると思う。

節約ブログということもあり、定番ネタの1つとして書いてみました。
そこそこ頑張ると年10万~20万くらいにはなって家族旅行に1回行けそう。